研究内容
私たちのあらゆる生命活動は、遺伝情報に規定されています。しかし、その情報を取り出し・活用するには、それを管理運用するシステムが必要です。エピジェネティクス制御系は、まさにこのゲノムを管理運用するシステムとして働いています。もちろん、エピジェネティクス制御系自体もゲノムに規定されていますから、ゲノムとエピゲノムの情報は相互に依存した形で存在し、車の両輪としての役割を果たすことで、私たちの健康な生活が保障される、とも言えます。当研究室では、このエピジェネティクス制御系の分子機構の解明を目指して研究を行っています。ヒストンは様々な翻訳後修飾を受けることで、このエピゲノム情報によりクロマチン構造・機能が調節されています。特にヒストンリジン残基のメチル化制御は遺伝子の発現だけでなくDNAの修復さらにはクロマチンの構造や安定性にも重要な役割を持っています。この分子基盤を明らかにすることから、モデル動物を用いて生体内の様々な生命機能における役割を明らかにし、エピジェネティクス制御不全の視点から健康・疾患を理解しようとしています。また、エピジェネティクス制御機構をコントロールする新たな手法の開発にも取り組んでいます。